2012-05-21更新

不動産物権者の通常有する処分権能が制限される場合、たとえば共有物の不分割契約(民二 五六条一項但書)、永小作権の譲渡・転貸禁止の特約(民二七二条但書)などにおいて、これを第三者 に対抗するためには登記を必要とし、そのための登記手続規定が設けられている(不登三九条ノ ー、一三条など)。これに対し、遺言執行者がある場合の相続人の処分権の制限(民一○一三条)の ように、法令の規定によって処分の制限が行なわれる場合には、登記なしに第三者に対抗しう るものと解されている。 v権利の消滅と登記 抵当権の放棄、賀戻権の合意による消滅、譲渡・転貸許容特約が登記されている土地賃借権 の解除による消滅(最判昭和四三・一○・三一民集一三巻一○号一三五○頁)などの意思表示による権利の 消滅の場合はもちろんのこと、混同による物権の消滅の場合も、登記がなければ第三者に対抗 しえない。これに反し、被担保債権の消滅による担保物権の消滅は、その抹消登記がなくても 第三者に対抗できる(大決昭和八・八・一八民集三巻三○五頁)。また不動産物権の存続期間が法定 されている場合(民三六○条など)や、契約によって存続期間が定められているがその旨の登記が なされている場合などにおいては、期間満了による権利の消滅が一般に了知されているとみる ことができるので、登記は不要と解されている